ヒゲが濃くなる原因
ヒゲの濃さは人によってさまざまです。また、年齢を重ねるごとにヒゲが濃くなる方もいます。なぜそのような変化や個人差が生まれるのでしょうか。考えられる原因について解説します。
遺伝によるもの
家族や親戚にヒゲや体毛の濃い方はいませんか?思い当たる方がいる場合は、ヒゲの濃さに遺伝が関係している可能性があります。
遺伝の可能性があるのは父親だけではありません。「父親はヒゲが薄いから遺伝ではなさそう」と思っても、祖父のヒゲが濃い場合、一代を飛び越えて受け継いだ隔世遺伝も考えられます。
ヒゲや体毛の濃い方が親族に多いなら、遺伝が要因として考えられるでしょう。
男性ホルモンによるもの
ヒゲの濃さには、ホルモンバランスが関連しているという見方があります。人は男性ホルモンの「テストステロン』と女性ホルモンである「エストロゲン』の両方を持ち、通常はバランスを取りながら生活しているのです。
テストステロンは多く分泌されている方ほど、ヒゲが濃くなるといわれています。
ホルモンは常にバランスを取り合い、食事や運動などの生活習慣によって、分泌量が増減します。そのため、不規則な生活をしていると、ホルモンバランスの乱れが起きてしまうのです。
肉中心の食生活やハードな筋トレが習慣化している方は、ヒゲを濃くするテストステロンの分泌バランスが崩れているのかもしれません。喫煙やストレスもまた、男性ホルモンのバランスを崩す一因と考えられています。
間違ったヒゲ剃りによるもの
肌には、刺激から守ろうとする防御機能が備わっています。間違った方法でヒゲ剃りをして、肌に負担をかけていると、ヒゲがどんどん濃くなっていくことがあります。
古い刃のカミソリをつかったり、乾いた肌に直接刃をあてたりと、肌が傷つきやすい方法でヒゲ剃りを行っている場合は要注意です。きれいに剃ろうと何度も刃をあてて剃っている場合も、摩擦が肌に負担をかけているおそれがあります。
ヒゲを薄くするには?
まずは、ヒゲを濃くする原因から薄くする方法を考えてみましょう。
生活習慣を見直す
ヒ性別を問わず、体の中には男性ホルモンと女性ホルモンが混在しており、普段はバランスを保っています。けれども、生活習慣によってホルモンバランスが乱れてしまうと、男性ホルモンが優位になってしまい、ヒゲが濃くなってしまうわけです。
もし、生活のリズムが乱れているのであれば、早寝早起きを心がけてみましょう。特に夜遅くまで起きて睡眠不足になると、男性ホルモンが優位になりがちです。女性ホルモンは睡眠中に分泌が促されます。仕事の都合で早寝早起きが難しい場合は、最低でも6時間以上の睡眠を確保したいところです。
ストレスも同じくホルモンバランスを乱します。適度に発散できるよう、体を休めたり、気分転換をしたりしましょう。運動もストレス発散になりますが、筋トレは男性ホルモンの分泌を促すため、ヒゲを薄くしたいなら避けたほうが無難です。
タバコを吸うのも、男性ホルモンを刺激してホルモンバランスを乱します。さらに、ニコチンをはじめとする有害物質によって、肌の調子も悪くなってしまうので、ヒゲを剃った後の顔が汚らしく見えてしまうのもデメリットです。タバコをやめるだけで、ヒゲが薄くなるだけでなく、見た目の印象が大きく変わるかもしれません。
正しい方法でヒゲ剃りをする
少しでも肌への負担を抑えるためには、正しいヒゲ剃りの方法を行うことが大切です。次の手順に沿って行いましょう。
1.洗顔で肌の汚れを落とす
肌が清潔になり、細菌が入りづらくなります。
2.ぬるま湯や蒸しタオルなどでヒゲを温める
ヒゲは温めると柔らかくなるため、剃りやすくなります。
3.シェービング剤をつける
ジェルタイプ:透明のジェルでヒゲを見ながら剃れる。肌をコーティングし、しっかりと守ってくれる。
フォームタイプ:付け心地が軽く、洗い流しやすい。
ジェルフォームタイプ:ジェル状の液が伸ばしていくと泡状に変化する。
4.負担の少ない『順剃り(生えている方向と同じ向き)』で剃る
5.反り切れなかった箇所を『逆剃り(生えている方向と反対向き)』で剃る
6.ぬるま湯で顔を洗う
肌にシェービング剤が残らないよう、しっかりと洗い流します。
7.アフターシェーブローションで保湿する
うるおいや抗炎症成分が含まれたものがおすすめです。
面倒に感じるかもしれませんが、毎日正しくヒゲ剃りを行うことで肌は清潔が保たれ、ダメージも軽減できます。習慣化できるよう、心がけてみてください。
紫外線対策をする
ヒゲを剃るのも刺激になりますが、それ以上に大きな刺激になるのが「紫外線」です。地球に届く紫外線には、UV-A波とUV-B波の2種類があり、前者は肌の真皮に到達して、ハリや弾力を失わせる原因になります。後者は肌の表面で作用して炎症や色素沈着を起こす原因です。細胞やDNAを傷つける恐れもあります。
実際に、オーストラリアにあるサザンクイーンズランド大学のアルフィオ・パリシ教授は、皮膚がんの研究にともなう実験の中で、ヒゲが紫外線の50~95%をブロックできることを証明しました。
ヒゲを薄くしたいのであれば、普段から日焼け止めを塗ったり、帽子やサングラス、マスクを身につけたりするなどして、紫外線対策をしましょう。紫外線は太陽が雲に遮られているときも、地表に到達します。ちょっとした外出でも対策は欠かせません。
同様に、ヒゲにはホコリや花粉といったアレルゲンをブロックしたり、冷えを防いでくれたりする役割があります。アレルゲンにはマスク、冷えにはマフラーといった具合に代替手段を用意すると、ヒゲが薄くなるのを期待できるでしょう。
ヒゲを薄くするために摂りたい食べ物・避けたい食べ物
ヒゲは普段の食事によっても濃くなったり、薄くなったりする可能性があります。ここでは酸性とアルカリ性に分類して、どちらがヒゲを薄くするのか見てみましょう。
【OK】アルカリ性の食べ物(野菜、果物、きのこ類、階層、大豆)
食品の酸性とアルカリ性は、燃やした後の灰を水に溶かし、そのpH(ペーハー)で判断します。0から14まであり、7が中性です。それより数値が大きければアルカリ性、小さければ酸性になります。必ずしも酸っぱい食品が酸性というわけではありません。レモンも梅干しもアルカリ性です。
かつては、人間の血液が弱アルカリ性なので、酸性食品を摂り過ぎると良くないといわれてきました。けれども、人間の血液は酸性食品を摂り過ぎても、弱アルカリ性に中和されるので、現在ではそれほど重視されていません。
ただし、中和するために骨を溶かしてアルカリ性にするため、骨が脆くなったり、尿酸値が高くなったりするなどの影響はあります。
アルカリ性の食品は野菜や果物、きのこ類、海藻、大豆などです。いずれもビタミンやミネラルを豊富に含み、体調やホルモンバランスを整える上で欠かせません。特に大豆は「イソフラボン」という女性ホルモンに似た働きをする成分が含まれています。
ヒゲを薄くしたいときに不足していると感じたら、積極的に摂ると良いでしょう。
【NG】酸性の食べ物(肉、魚、砂糖、卵、穀類)
一方、酸性の食品はリンや硫黄、塩素を含んでいます。該当するのは肉や魚、砂糖、卵、穀類などです。インスタント食品にもリンが含まれています。
酸性である以前に、これらの食品の大半はカロリーが高く、脂肪も豊富です。インスタント食品は塩分も摂り過ぎになります。食べ過ぎると、ホルモンバランスが乱れるだけでなく、体にも良くありません。
もちろん、肉や魚、卵は筋肉や肌を作るタンパク質が含まれており、砂糖や穀類はエネルギー源になりますから、極端に控えるのはNGです。ヒゲを薄くしたいときに摂り過ぎていると感じるなら、量を見直したほうが良いでしょう。
ヒゲ処理方法の中でもっとも薄くできる方法は?
ヒゲの処理方法には、いくつかの種類があります。それぞれの特徴をおさえ、自分に合う方法を選びましょう。
カミソリやシェーバーでのヒゲ剃り
カミソリやシェーバーによるヒゲ剃りは表面の毛を処理するだけなので、皮膚の下にはかなりの量が残っています。すぐに生えてしまい、剃り跡が目立ってしまいますし、チクチクするのが悩みどころです。
除毛・抑毛クリーム
除毛クリームはタンパク質を溶かす成分によって、塗るだけでヒゲを処理できますが、やはり表面の毛しか処理できません。また、タンパク質を溶かす成分は肌にも影響を及ぼすので、顔に使える除毛クリームは限られています。
抑毛クリームなら、食物由来の成分を使っているものが多いため、肌への影響は少ないですが、ヒゲが薄くなったのを実感できるまで日数がかかります。
ブラジリアンワックス
ブラジリアンワックスは一度に広範囲の体毛を処理できますし、根元から抜けるので処理後の肌はツルツルしています。
一方で剥がすときに強い力がかかるため、痛みが強く、毛穴が歪んだり出血したりする恐れがあるのがデメリットです。毛包炎や埋没毛といったトラブルが発生しやすく、ヒゲには不向きです。
家庭用脱毛器
最近では家庭用脱毛器も販売されています。特殊な光を当てて、毛の生える元となる毛乳頭にダメージを与える仕組みです。ただし、プロが使うのとは違って、安全のために出力は抑えられており、薄くなったのを実感するまでは長期間にわたって使用しなければいけません。ヒゲに使える機種もごく一部です。
脱毛サロンやクリニック
ヒゲを根本的に薄くしたい方であれば、脱毛も選択肢のひとつです。毎日の手入れが簡単になるでしょう。脱毛サロンとクリニックは混同されやすいですが、それぞれ異なる特徴をあります。
・脱毛サロン(エステサロン)
脱毛サロンは光脱毛の出力が穏やかなため、ナチュラルなヒゲの濃さにしたい場合におすすめです。一般的に痛みや肌の負担が少なく、医療脱毛と比べてお手頃な価格で施術を受けられます。初めて脱毛を経験する方や、肌をいたわりながら脱毛したい方におすすめの方法です。
・クリニック(医療脱毛)
医師が施術を行うクリニックでは、レーザー脱毛器によって脱毛します。出力が高く、脱毛効果にも期待できますが、そのぶん費用は高めです。
クリニックでの脱毛は医療行為のため専門の病院のみの施術になりますが、半永久的な脱毛も可能となっています。万が一のトラブルの際も医師が対応してくれる点も安心できるポイントといえるでしょう。
まとめ
ヒゲを薄くするには、生活習慣を見直したり、外部の刺激を防いだりする方法があります。食事もバランス良く摂るのが大事です。エステサロンで脱毛すれば、自分で行うより早く短期間で薄くなったのを感じることができるでしょう。