運動不足によるストレスを解消しよう!簡単にできる運動法を紹介【医師監修】

2020.06.26

健康管理

運動不足は太るだけでなく、ストレスの蓄積を招くリスクもあります。楽しく、効率良く体を動かして、運動不足を解消しましょう。

今回は運動不足のリスクや毎日続けられる運動の仕方を、屋内・屋外に分けて詳しくご紹介していきます。

この記事は約4分14秒で読み終わります。

 

運動不足が引き起こすこと

 

最初に、運動不足が引き起こす体への悪影響についてご紹介していきましょう。

 

仕事や生活に追われていると運動するのが面倒になり、ゴロゴロと過ごしがちです。ゆっくり休んでも疲れが取れないときや、なんとなく体調がすぐれない場合は、運動不足を疑ってみることをおすすめします。

 

肥満

 

運動不足による弊害のひとつは、太ることでしょう。生き物の体は筋肉を動かすことで、大量のカロリーを消費します。運動量不足すると摂取したカロリー消費が追い付かず、余ったものが体脂肪としてどんどん蓄積してしまいます。

 

肥満は見た目を悪くするだけではありません。太ることによって、健康に悪影響が出ることのほうが問題です。

 

運動不足に陥るとカロリーを消費する筋肉量が減り、基礎代謝の低下を招きます。こうなるとさらにカロリーの消費量が減り、余分な脂肪が臓器などにも蓄積して、生活習慣病などの重大な疾病を引き起こす原因にもなりかねません。

 

特に注意が必要なのは、血管への負担です。慢性的な運動不足は高血圧や動脈硬化などの血行障害を起こすリスクが高いことが指摘されています。

 

骨が弱くなる

 

運動不足の弊害でもうひとつあげられるのが、骨が弱くなることです。骨格は生き物の体を支える、大事な部位。骨が弱ると臓器などにも負担がかかり、非常に危険です。

 

運動不足で骨が弱くなるのは、運動による負荷がかからなくなることが原因。骨は重力や運動によってある程度の負荷がかからないと、どんどん弱くなってしまうことが分かっています。

 

細胞は常に新陳代謝を繰り返して、骨や筋肉は運動負荷で古いものが壊され、再生されていく過程で強化されます。運動不足に陥ると骨の再生が滞り、脆くなって、少し動いただけで骨折してしまうことさえあります。

 

ストレスを感じやすくなる

 

運動不足が引き起こす悪影響は、体だけではありません。慢性的な運動不足に陥るとストレスを強く感じやすくなるため、メンタル面にも弊害が起こります。

 

適度な運動はストレスを発散させる役割を担っていて、運動量が不足すると体の中にどんどんストレスホルモンが蓄積します。その結果、体は常に興奮状態を強いられて疲労が蓄積し、健康を害する可能性さえあります。

 

またストレスの蓄積は、自律神経系や脳のホルモン分泌にも負担をかけます。運動不足からうつ病などの精神疾患を引き起こすリスクも高いため、適度な運動で心身の健康を守りましょう。

 
 

室内で簡単に行える運動

 

それでは、ご自宅の室内で簡単に運動不足を解消できる、筋トレ方法をご紹介していきましょう。

 

時間も場所も取らず、気軽にできる運動です。ほど良く疲れて良く眠れるため、少しストレスがたまったなと感じたら、ぜひ試してみてください。

 

スクワット

 

運動不足の改善におすすめなのは、スクワットです。スクワットは筋肉量の多い脚まわりを中心に鍛え、効率良く基礎代謝を向上させることができるため、キング オブ エクササイズとも呼ばれています。

 

バランスをとることで体幹を鍛え、全身の筋肉の育成にも効果的です。道具も必要ないので、ぜひ毎日の習慣にしてください。

 

●スクワットのやり方

1.両足を肩幅のサイズで開く

2. 太ももと床が平行になるように、息を吸いながらゆっくりと腰を落とす

3.息を吐きながら体を戻す

 

スクワットは15回を1セットに、1日当たり3セット、45回が目安です。腰が曲がったり、膝が前に出過ぎたりしないよう、姿勢に注意しましょう。

 

階段・踏段昇降

ご家庭にある階段を利用した階段・踏段昇降も、運動不足の解消に効果的です。手軽にはじめられるため、膝下位のちょうど良い段差があるなら、ぜひチャレンジしてみてください。

 

● 階段・踏段昇降のやり方

1. 段差の前にまっすぐ立つ

2.まず右足、次に左足の順番で、一段登る

3. 右足、次に左足の順番で一段降りる

 

階段・踏段昇降の目安は、1日30分です。登って、降りる動作を10分間繰り返し、1分間の休憩をはさみながら、3セット行うと良いでしょう。

 

ポイントは、しっかりと足を上げることです。ゆっくり酸素を取り入れながらしっかり腕を振り、全身の筋肉を刺激して、トレーニング効果を高めましょう。

 
 

野外で簡単に行える運動

 

運動不足をしっかり解消できる、屋外での運動方法もご紹介していきましょう。

 

外の景色を見ながら行う運動は、ダイエット以上にストレス発散に効果的です。いきなりハードに動くと心臓などに負担がかかるため、無理のない範囲で取り組んでください。

 

ウォーキング

 

ウォーキングは運動強度が高くないため、慢性的な運動不足の人や、運動嫌いな人におすすめの方法です。心拍数が上がりにくくてもしっかりカロリー消費ができるので、継続的に取り組みましょう。

 

効果的なウォーキングのポイントは、腕をしっかり振って大股で歩くことです。腕を振ることで肩甲骨まわりの筋肉も動かすことができ、カロリー消費を担う下半身への運動負荷も高まるため、全身強化に最適です。より効果を高めたい人は、ウォーキング後にストレッチや筋トレを組み合わせてみてください。

 

ウォーキングは1日あたり20~30分を目安に行うと良いでしょう。休日にまとめて行うよりも、毎日コンスタントに行うことが大事です。仕事などが忙しい場合は、ウォーキングとして時間を作るのではなく、通勤中に1駅分を歩く、車を使わずに買い物に出るなどして、生活の一部に取り入れてみてください。

 

ランニング

 

ウォーキングよりも運動量が多いランニングは、運動時間を長く取れない人や、体調に問題がなく、基礎体力が十分にある男性におすすめです。短時間で大量のカロリーが消費でき、しっかりストレスを発散できるのも魅力でしょう。

 

ウォーキングの運動効果を高めるポイントは、正しいフォームを身に着けることです。動きの無駄をなくせば体へのダメージが少なくなり、走ることが楽しくなりますよ。

 

ランニングする際に気をつけたいのは、背筋をまっすぐに保つことです。猫背にならないようにお腹周りを固定しながら、顎を引いて走りましょう。ランニング中の上半身のブレが少なくなり、腰や膝へのダメージを軽減して、走りやすくなります。

 

着地の姿勢にも注意しましょう。ランニング初心者は体力温存のために、足の裏全体で着地する、いわゆる「べた足」になりがちなので、早めの改善が必要です。べた足で走ると足の裏にかかる負担が大きく、故障リスクも高いため、付け根からしっかり動かして、脚を上げて走ることを心掛けてください。

 

毎日のランニングは無理のないペースで、1日20分程度が目安です。必要な運動量は個人差が大きいため、軽く汗をかいて、気持ちが良いと感じる程度にすることで継続につなげましょう。

 

またランニング中はたくさん汗をかくため、体力消費が大きく、水分摂取と熱中症対策が必要不可欠です。こまめな水分摂取を心掛けて、帽子を着用して走ることをおすすめします。

 

ランニングやウォーキング中の感染症対策も重要でしょう。新型コロナウイルス感染を防ぐためには、呼吸がしやすいタイプのマスクを活用するのも選択肢のひとつです。公園などには多くの人が集まるため、お互いに1メートル以上の距離を保つことにも配慮しましょう。

 
 

まとめ

 

仕事などで忙しいとついついおろそかになりがちですが、運動不足の改善は健康への第一歩です。ストレスを発散して、体力維持に努めましょう。

 

無理のない範囲で、前向きに運動を生活に取り入れることをおすすめします。

 
木村医師

【この記事の監修医師】

東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、 嘱託産業医として企業の健康経営にも携わる 木村眞樹子先生

 

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