仕事の合間にお腹痩せ
まずは寝転がったり、座ったり、立ったりしたままでもできる簡単なトレーニングです。
息を吸ってお腹を凹ませるだけの「ドローイン」
ドローイン(draw in)とは、呼吸によって体の内側にある腹横筋や腹斜筋といったインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。ゆっくり息を吐きながらお腹を凹ませ、その状態を10~30秒ほどキープしながら浅い呼吸を繰り返します。
お腹を凹ませた状態をキープしている間、インナーマッスルが鍛えられるわけです。インナーマッスルが鍛えられると、たるんだお腹が引き締まるだけでなく、内臓が本来の位置に収まり、姿勢も良くなります。
お腹を凹ませられるなら、どんな姿勢でも構いません。寝転がるのはもちろん、電車に乗っているときに立ったまま行ったり、仕事の合間に座ったまま行ったりすることができます。唯一、食後すぐはインナーマッスルを動かしづらく、消化不良を起こす恐れがあるため、避けたほうが無難です。
インナーマッスルを鍛えるときは、他の部分に力が入ったり、姿勢が崩れたりしないように注意します。最初は寝転がりながら行うと要領をつかみやすいでしょう。事前に腹式呼吸を繰り返して、お腹を動かしておくのも効果的です。
7秒静止するだけの「アイソメトリックス」
アイソメトリックス(Isometric)とは、直訳すると「等尺性収縮」という意味ですが、簡単にいうと一定の姿勢を7秒間キープするトレーニングです。ドローインではインナーマッスルでしたが、アイソメトリックスでは姿勢によって様々な筋肉を鍛えられます。
プランク(plank)もアイソメトリックスの一種です。その名のとおり、板をイメージして両肘とつま先で体を支えますが、まっすぐな状態をキープするため、お腹周りの筋肉が鍛えられます。横を向いて肩肘とつま先で支えるサイドプランクなら、脇腹を引き締めるのに効果的です。
アイソメトリックスは、寝転がったままでもできます。仰向けの姿勢から脚を上に持ち上げ、膝を90度に曲げて固定します。あとは両膝を両手で7秒間押し続けるだけです。膝を曲げた状態をキープするためにお腹周りの筋肉が鍛えられます。
仕事の合間にアイソメトリックスを行うのであれば、椅子を使う方法が最適です。まずは椅子に浅く腰掛け、背筋をまっすぐ伸ばしましょう。そこから少し上半身を後ろに倒した状態を7秒間キープするだけです。より後ろに倒れるほど、お腹周りに大きな負荷をかけられます。
ヨガのポーズでお腹痩せ
ヨガの中には、お腹痩せに効くポーズがいくつかあります。ポーズを取りながら鼻から呼吸するのを繰り返すだけですから難しくありません。
お腹痩せするヨガのポーズ
例えばコブラのポーズは、うつ伏せの状態から上半身を起こして背筋を伸ばし、下腹部とお尻に力を入れることで、お腹周りと背中周りを引き締められます。
舟のポーズは、お尻を支点にして体をV字型にするものです。お腹周りに加えて太ももを引き締める効果もあります。V字型をキープするのが難しければ、膝を曲げて床と平行になるよう脚を伸ばしましょう。両腕も床と平行してまっすぐ伸ばします。
橋のポーズは、仰向けの状態から膝を曲げて両足を床につけ、そこからアーチを作るように体を持ち上げ、両肩で支えるようにします。お腹が下がらないように意識すると、お腹とお尻を鍛えられるでしょう。
鋤のポーズは、仰向けの状態から両腕を伸ばしたまま、下半身を上半身に向かって折り曲げるものです。折り曲げる過程でお腹周りの筋肉が最大限に使われます。
いずれのポーズも30秒から1分程度キープし、その間は鼻からの呼吸を続けるのがヨガならではのポイントです。これによって血液やリンパの流れが良くなり、リラックスできる効果もあります。
ヨガの中では比較的簡単なポーズですが、慣れないうちは無理して筋肉を痛めないように注意しましょう。
プランクポーズもお腹痩せにおすすめ
ヨガの中には、12のポーズを流れるように行う「太陽礼拝」があり、その中にプランクと似ているポーズがあります。太陽礼拝では一瞬ですが、アレンジして30秒から1分ほどキープしてみましょう。
インナーマッスルを鍛えられるだけでなく、骨盤を矯正して内臓を正しい位置で支えられるようになります。背中の筋肉にもアプローチするため、姿勢も良くなるでしょう。一般的なプランクとの違いは、肘でなく手のひらで体を支えるところ、鼻からの呼吸を繰り返すところです。
インナーマッスルが弱くて体を支えられないうちは、コブラのポーズで代用しても構いません。一般的なプランクと同様、両肘で支えても良いでしょう。どちらも鼻からの呼吸は止めないように心がけます。
寝転がりながらお腹痩せ
先ほどのドローインやアイソメトリックス以外にも、寝転がりながらできるトレーニングがあります。
ベッドでお腹痩せトレーニング
まずは「クランチ」です。寝転がった状態から胸と脚が付くようにお腹を丸めましょう。バリエーションとしてサイドクランチやバイシクルクランチ、リバースクランチなどがあり、これらを組み合わせることでお腹周りの筋肉すべてを鍛えられます。
続いて「シットアップ」です。仰向けに寝転がった状態から上半身を完全に起こします。いわゆる一般的な腹筋運動です。上半身を完全に起こさないクランチと比べて、腹筋だけでなく大腰筋も鍛えられます。
逆に脚のほうを持ち上げる「レッグレイズ」という腹筋運動もあり、下腹部を重点的に鍛えたいときに最適です。脚を下ろすとき床につけないようにすると、より負荷をかけられます。
腹式呼吸も意識して行えば立派なトレーニングです。お腹を膨らませて横隔膜を下げるため、インナーマッスルが鍛えられるだけでなく、脂肪の燃焼も期待できます。吸うよりも吐く時間を長くすると効果的です。腹式呼吸は副交感神経を優位にしてくれるので、眠る前に行うと熟睡できるでしょう。
お腹の脂肪燃焼ならスクワットがおすすめ!
スクワットは全身の筋肉をまんべんなく鍛えられるトレーニングです。上半身を維持するためにお腹周りの筋肉を使うため、お腹の脂肪燃焼にも効果があるとされています。また、スクワットにはさまざまな種類があり、鍛えたい場所や負荷量に合わせて使い分けられるのも特徴です。
ここでは、スクワットのやり方と種類について解説します。
基本のスクワット
全身を鍛えられるスクワットは、内臓脂肪がつきやすい男性に効果的です。また、消費するエネルギーが多く効率的なトレーニングであるため、お腹痩せを目指すなら積極的に行いたいトレーニングといえます。
まずは、足を肩幅よりやや広く開けて立ち、つま先は少し外向きに構えます。腕は前に伸ばすかクロスしますが、猫背が気になる場合は頭の後ろで組むと良いでしょう。そのままお尻を後ろに引くイメージで、ゆっくり腰を落としていきます。できるだけ深く落としたら、膝が伸び切らない程度までゆっくりと元に戻すまでが1セットです。
スクワットは正しいフォームで行うことが大切です。常に背筋を伸ばし、肩甲骨を寄せて行います。股関節から大きく動かすよう意識し、膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
最初は1日10回程度から始め、慣れてきたら1セット15回を3セット行うと効果的です。
さまざまなスクワット
スクワットにはいくつかの種類があり、それぞれ鍛えられる部位が違います。ここでは、3つのスクワットを紹介しましょう。
・ワイドスクワット
足を肩幅よりも大きく開き、膝とつま先を45度程度の角度で外に向けます。腰を落とすときは太ももが床と平行になるまでゆっくり下げ、素早く元の体勢に戻すのがコツです。
基本のスクワットよりも体が安定しやすいため、筋トレに慣れていない方に向いています。
・ジャンピングスクワット
基本のスクワットにジャンプを加えることでより運動負荷を増やし、体幹や瞬発力も強化できるスクワットです。
基本のスクワットと同じように腰を落とした後、まっすぐ上へジャンプします。着地するときは足の裏全体で着地するように心がけ、腰を落とした体勢に戻るように意識しましょう。
・ナロースクワット
足を開かずに行うスクワットです。前ももを集中的に鍛えるトレーニングで、大きな筋肉を効果的に動かせるため、基礎代謝アップにつながります。
足を閉じた状態で腕を前で組み、太ももが床と平行になるまで落としていきます。足が開いてしまう場合には、クッションなどを挟んで力を入れ、体勢が崩れないようにすると効果的です。
通常のスクワットで慣れてきたら、ほかのスクワットもぜひやってみてください。
お腹痩せを実現するなら食事にも気をつけよう!
お腹痩せをするなら運動だけでなく、食生活での工夫も重要です。ここでは、お腹痩せするための食事のコツを紹介します。
最初に食物繊維から摂る
食事の最初にご飯などの炭水化物を摂ると、血糖値を下げるインスリンが大量に分泌されます。インスリンは脂肪の合成を促進してしまうため、お腹周りだけでなく全身の体脂肪が増えることにもなりかねません。
野菜や海藻類など、食物繊維が豊富な食材から摂ることで血糖値の急激な上昇を抑え、同時に脂肪の過剰な合成を抑える効果が期待できます。
高タンパク低脂質の食事を意識する
お腹痩せするには高タンパク・低脂肪の食事が望ましいです。タンパク質は筋肉の材料にもなるため、スクワットなど筋トレをしているなら欠かさず摂りましょう。
おすすめの食材は、脂質が比較的少ない食材です。特に肉と魚介類を食べる際は、以下の食材を選ぶことをおすすめします。
【肉類】
・鶏ささみ
・鶏胸肉
・豚の赤身
・豚ヒレ肉
・豚の肩 など
【魚介類】
・アジ
・鮭
・まぐろの赤身 など
アジやまぐろといった青魚には脂が含まれていますが、いずれも良質な脂質なので積極的に取り入れましょう。
そのほかには、乳製品や豆類(豆腐、納豆など)もおすすめです。
水分をこまめに摂る
普段から水分を十分に摂ることで、空腹を紛らわすことができます。口さみしいからといって余計なものを食べてしまう方は水分摂取を意識しましょう。
摂取する水分量の目安は1日に2リットル程度です。水やお茶など、カロリーのない飲み物を選んでください。
まとめ
お腹痩せは、簡単なトレーニングやヨガ、エステで実現できます。個人差はありますが、毎日続けていると1ヶ月くらいでお腹周りが引き締まってくるでしょう。仕事の合間や日常生活の空いた時間にぜひ取り入れてみてください。