健康的に痩せるとは?
そもそも、健康的に痩せるというのはどのようなダイエットのことを指すのでしょうか。ここでは、ダイエット計画の立て方について解説します。
長期間のスパンでダイエットを計画する
健康的に痩せるには、バランスの良い食事と運動が欠かせません。厳しい食事制限をしたときと比べると減量に時間を要しますが、健康を維持したまま痩せるためには、時間をかけて健康的な食生活を心掛けることが大切です。
減量の目安としては、1ヶ月で5%以内の体重減少にとどめておくのがコツです。体重減少率が5%を超えると、体の防衛本能が働き、カロリーを溜め込もうとして痩せにくくなるおそれがあります。
また、短期間で無理に摂取カロリーを抑えてダイエットしても、元の食生活に戻るとリバウンドしてしまいます。摂取カロリーが少ない状態ではカロリーが消費されにくくなるため、そのような状態で元の食生活に戻ることで、体重が大きく増えてしまうのです。
さらに、カロリーは身体を動かしたり臓器の機能を保ったりするために必要なため、過度に不足すると健康面や美容面にも悪影響が及びます。
時間をかけて健康的に痩せることで、このような問題を防ぎつつ体重を落とすことができます。
BMIを計算して適切な目標を立てる
体重管理の目標として活用できるのがBMIです。
BMI(Body Mass Index)とは、「体重(kg)]÷[身長(m)の2乗」で算出され、肥満や痩せの判断に広く使われています。適正範囲は、年齢によって以下のように異なります。
18~49歳:18.5~24.9
50~69歳:20.0~24.9
70歳以上:21.5~24.9
適正範囲内にある場合には、基本的にダイエットは必要ありません。ただ、腹囲が基準をオーバーしている方や体力低下を感じる方はダイエットに取り組んでも良いでしょう。
健康的に痩せるには太っている原因から知ろう
ダイエットの際には、まず自分が太っている理由を考えることが大切です。理由がわからないままダイエットを始めても、太る原因を解消しない限り痩せることは難しいでしょう。
自分に合わないダイエットをしないためにも、自分が太っている理由を考えてください。原因を知った上で的確な対策を取ることで、より効率的にダイエットを進められます。ここでは、ふたつの原因を解説します。
偏った食生活
太っている方に共通しているのが、食生活の乱れです。毎日仕事が忙しいビジネスパーソンや、家事や育児に追われて自分のことを後回しにしている主婦(主夫)にも見られます。
不規則な時間の食事や朝食を抜くことは、満腹と空腹の時間のバランスが取りにくくなり、間食や夜食が食べたくなる原因にもなります。お菓子を食べすぎてしまう方は、3食の食事の時間や内容を一度見直してみましょう。
また、外食が多い方は塩分を摂りすぎることがあります。外食で提供される食事は味つけが濃くて量も多く、体に取りこむトータルの塩分量が多くなりやすい傾向があります。塩分の摂りすぎはむくみの要因にもなるため、ダイエットをするなら塩分控えめを心がけておきたいところです。
運動不足
すでに運動を取り入れている方もいるかもしれませんが、年齢によって必要な運動量が異なるため、場合によっては運動量が足りていないことも考えられます。
自分が運動不足かどうかは、「METs(メッツ)」という単位で判断できます。METsは、安静時の消費エネルギーを1として、その何倍のエネルギーを消費するかで示した単位のことです。
たとえば、座って安静にしている状態が1METs、歩いている状態が3METsに相当します。
目安として、18〜64歳の運動の基準は「3METs以上の運動を4METs・時(※)/週行うこと」が推奨されています。具体的には、息が弾んで汗をかく程度の運動(ゴルフやダンス、自重を利用した筋トレなど)を毎週60分程度行うことを指します。
これよりも運動量・活動量が低い場合には、運動不足になっていると考えて良いでしょう。
(※)METs・時とは、「METs×運動時間」で算出される身体活動を表す単位です。
健康的に痩せるには?食事編
それでは、健康的に痩せるには、どのような食事を心がければいいのか詳しく見ていきましょう。
1日3食規則正しく食べて、一汁三菜を心がける
ダイエットする際には、つい食事を抜いてしまいがちです。食事を抜くと、次の食事で身体が取り込むエネルギー量が多くなるため、体重増加につながります。そのため、1日3食規則正しく食事を摂りましょう。
また、栄養バランスが良い食事を心がけると代謝がスムーズになり、体に脂肪がつきにくくなるといわれています。さまざまな栄養素を取り入れることで、食べたものを効率良くエネルギーに変換できるのです。
そのため、栄養バランスを整えるために重要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルを積極的に摂りましょう。たんぱく質が豊富な肉や魚、ビタミン・ミネラルが豊富な野菜などをバランス良く摂るためには、一汁三菜を意識した献立がおすすめです。
とはいえ、1食ごとに完璧な食事を目指す必要はありません。1週間トータルで見たときに、バランスが取れた食事になっていればOKです。
適切な方法でカロリーコントロールする
痩せるためには、「摂取カロリー<消費カロリー」の状態をキープする必要があります。運動による消費カロリーが少ないときは、以下のように摂取カロリーをコントロールしましょう。
・揚げ物など高カロリーなものは控えめにする
・ジュースではなく水や炭酸水を飲む
・低カロリーのドレッシングを使う
・間食は量を決める
・カロリー表示を見るクセをつける
さらに、朝と昼はしっかり食べて、夜ごはんは少なめにすると効果的です。朝と昼は活動的ですが、夜は寝るだけになるため、エネルギーが余ってしまいます。そうすると、中性脂肪として蓄えられて太ってしまうのです。揚げ物など高カロリーの食事も、夜ではなく昼にとることをおすすめします。
また、腹八分目に留めることで、食べ過ぎを防げます。お腹いっぱいになるまで食べることがクセづくと、カロリーをとりすぎてしまいがちです。カロリーのとりすぎを防ぎ、ダイエット効果を高められるでしょう。
しっかり噛んでゆっくり食べる
しっかり噛んでゆっくり食べることで満腹中枢が刺激され、満腹感を得られやすくなります。早食いは、血糖値の急激な上昇を招き、血液中の糖が余ることで中性脂肪として蓄えられてしまいます。急いでいるからと言って早食いをしないことが大切です。
早食いの改善は難しいですが、一緒に食事をとる友人や家族に指摘してもらうことで、改善しやすくなるでしょう。
野菜を先に食べる
野菜を先に食べることで、糖の吸収をゆるやかにできます。先にご飯やパンを食べると、血糖値が急激に上昇するため、中性脂肪が蓄えられやすくなります。最初に野菜を食べてからご飯や肉類を食べましょう。
薄味・減塩を心がける
濃い味のおかずは、ごはんやお酒が進みやすいため、結果的にカロリーをとりすぎてしまいます。やさしい薄味のおかずなら、ごはんを食べ過ぎたりお酒を飲みすぎたりしにくいでしょう。また、濃い味を避けることで、塩分のとりすぎも防げるため、健康面にも良い影響を与えられます。
健康的に痩せるには?運動編
健康的に痩せるには、食事だけではなく運動も実践する必要があります。食事だけで痩せようとすると、摂取カロリーを抑えすぎることになります。食事を我慢することでストレスが溜まると、途中でダイエットを諦めてしまうでしょう。
食事の工夫と適度な運動習慣を組み合わせることで、健康的に痩せられるのです。それでは、具体的にどのように運動すればいいのか詳しくみていきましょう。
有酸素運動
有酸素運動にはウォーキングやジョギングなどが含まれ、体脂肪燃焼におすすめの運動です。
有酸素運動をより効率的に行いたいなら、心拍数に着目してみましょう。心拍数は最大心拍数の60〜70%程度が理想です。最大心拍数は「220-年齢」で簡単に計算できます。
例えば、年齢が40歳の方の場合は「220-40=180」が最大心拍数となり、そこから計算すると「180×60〜70%=108〜126前後」が理想的な心拍数となります。普段の駅までの心拍数を意識したりして、日々の暮らしの中に無理なく運動を取り入れることが大切です。
スマートウォッチなどウェアラブル端末で心拍数が測れる機能がついているものもあるので、しっかり取り組みたい方は検討してみても良いでしょう。
まとまった運動時間が取れないときは、日常生活で無理なく続けられる方法がおすすめです。以下の方法を試してみましょう。
・電車はひと駅前で降りて歩く
・エスカレーターではなく階段を使う
・運動を兼ねて行ける距離のスーパーやコンビニを利用する
無酸素運動
無酸素運動は、いわゆる筋力トレーニングのことで、有酸素運動と組み合わせることでダイエット効果を高められます。腕立て伏せや腹筋、プランク、ダンベル体操などさまざまな部位を鍛えましょう。
1日に行う筋トレメニューをあらかじめ決めておき、毎日同じ時間に行うことをおすすめします。例えば、入浴前に筋力トレーニングで汗をかいて、入浴でスッキリするなど、生活のリズムも考えて取り入れましょう。
筋力トレーニングで筋肉がつくと、基礎代謝が上がってエネルギーが消費されやすくなるため、食事や有酸素運動の効果が高まるのです。すぐに筋肉をつけることはできませんが、継続的に筋力トレーニングすることで、着実に筋肉がついていきます。
では、おすすめのトレーニングについて見ていきましょう。
・下半身の筋肉を鍛えたいならスクワット
お腹や脚の大きな筋肉を鍛えられるスクワットは、効率良く痩せたい方におすすめです。
■やり方
1.肩幅より若干広めに足を開いて、つま先を外側に向けて立つ
2.両腕を胸の前で組み、息を吐きながらお尻を突き出すように腰を下ろす
3.息を吸いながらゆっくり立ち上がる
ポイントは、背筋をまっすぐ伸ばした状態で行うことです。正しい姿勢で行うと、脂肪が燃焼しやすくなり、体の引き締め効果も期待できます。
・ウエストまわりを鍛えたいならクランチ
腹筋に効くクランチは、お腹周りが気になる方におすすめのトレーニングです。
■やり方
1.仰向けの状態で軽く膝を立てて、手を胸の前でクロスする
2.息を吐きながらゆっくり背中を丸めておへそを見る
3.上半身を後ろに倒し、肩甲骨が床につかない状態をキープする
4.2と3の動きを10回×1セット行う
ポイントは、肩甲骨を床につけないことです。肩甲骨を浮かせた状態でキープすると、腹筋に刺激を与えやすくなります。
・体幹を鍛えたいならプランク
広範囲の筋肉を鍛えられるプランクは、運動が苦手な方でも取り組みやすいトレーニングです。
■やり方
1.うつ伏せの状態で、肘とつま先のみ床につけるようにして体を浮かせる
2.頭からつま先まで一直線になるようなイメージで、そのまま30秒キープする
ポイントは首を曲げたり、お尻を上げたりせず、頭からつま先までまっすぐの状態を維持することです。体幹が鍛えられるため、痩せやすくなると同時にきれいな姿勢を保ちやすくなります。
プランクは簡単そうですが、無理は禁物です。まずは、30秒1セットからスタートしましょう。それでも厳しい方は、30秒以内でも問題ありません。徐々に時間を延ばしていくようにしてみてください。
運動を続けるには、毎日体重を測ったり鏡で身体の変化を確認したりして、モチベーションを高めましょう。また、エステの力で身体をケアすることもひとつの手段です。なかなか自分だけで運動を続けることは難しいため、プロのサポートを受けましょう。
例えば、筋肉に働きかけるEMSの施術を受けることで、理想的なボディを目指せるようになります。EMSは、20分ほど寝ている間に、数百回もの筋肉収縮効果が期待できるため、定期的に受けることがポイントです。
健康的に痩せるには?~生活習慣編~
普段の生活習慣が乱れていれば健康的に痩せることは難しいですが、良い習慣を取り入れれば痩せやすくなります。ここからは、簡単に取り入れられる生活習慣のポイントを解説します。
毎日湯船に浸かる
湯船に浸かると体が温まり、血行が良くなります。全身のすみずみまで体に必要な酸素や栄養素を届けやすくなるため、筋肉の成長や内臓の活性化に役立ち、基礎代謝アップも期待できます。
また、ゆっくり湯船に浸かるとリラックスできるため、安眠にもつながります。疲れているときほど、シャワーだけで済ませずにしっかりと湯船に浸かりましょう。
マッサージやストレッチを習慣化する
マッサージやストレッチを習慣にすると、血行促進や成長ホルモンの活性化、基礎代謝アップにつながります。
筋肉が硬いと老廃物が溜まりやすくなり、基礎代謝が低下してしまうことがあります。マッサージやストレッチをすると、しなやかな筋肉が得られて基礎代謝が上がりやすくなります。
また、筋肉がほぐれると滞っていた血液が流れやすくなり、冷え性やむくみ改善に効果的です。さらに、就寝前にマッサージやストレッチでリフレッシュすると、副交感神経が優位になり、睡眠の質も高まります。
眠っている間には、脂肪を分解する働きがある「成長ホルモン」の分泌が促されるので、痩せやすい体質を目指せます。
質の良い睡眠を取る
良質な睡眠を心がけると、脂肪の燃焼をサポートしてくれる「成長ホルモン」が分泌されて痩せやすくなります。
成長ホルモンは就寝後、最初に深い眠りが訪れたときに最も分泌されやすいといわれています。
浅い眠りのときは分泌されにくいため、眠り始めの3時間で深い睡眠が得られるように普段から睡眠の質を高めることが大切です。
また、寝不足が続くと食欲を抑えるホルモンの「レプチン」の分泌量が減少します。一方、食欲を高めるホルモンの「グレリン」の分泌量は増加してしまうので注意が必要です。
食欲が高まると、いつもの量では満足できず、食べ過ぎにつながるおそれがあります。食べ過ぎた分は脂肪として蓄えられてしまうため、普段から早寝早起きをして、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
まとめ
健康的に痩せるためには、食事の方法を見直しつつ有酸素運動や無酸素運動を習慣づける必要があります。間違ったダイエット法では、短期間で体重を落とすことができたとしても、リバウンドや、健康・美容への悪影響が懸念されます。健康的に痩せることができれば、リバウンドすることなく体重を維持できるでしょう。