健康診断でコレステロールの数値が高かった!具体的な対処法は?

2019.05.15

健康管理

健康のバロメーターのひとつでもある、コレステロール値。健康診断の結果が、正常値よりも高いと不安になるものです。

しかし、具体的な問題点がよくわからない人もいるのではないでしょうか。コレステロールが高くなる原因を理解した上で、正常値に戻すための対策を行う必要があります。

ここではコレステロールを下げる方法について、食事やダイエットなど生活習慣の改善に着目をして解説します。

この記事は約4分56秒で読み終わります。

 

コレステロールとは

 

健康診断以外でも、テレビなどで日ごろからよく見聞きするコレステロールという言葉。しかし、どのような役割であるのか、直ぐに答えられない人も少なくはありません。コレステロールの役割について、見ていきましょう。

 

コレステロールの役割

 

コレステロールとは、人間の体内に存在する脂肪分のひとつです。血液中には、4種類の脂肪が存在しています。コレステロールと中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸です。

 

日本人にとって、中性脂肪も馴染みのある脂肪分でしょう。中性脂肪は、体内でももっとも多くの割合を占める脂質で、健康診断でも重視されている数値です。

 

コレステロールは、細胞膜、ホルモン、胆汁酸の材料になる脂肪分です。人間の身体は、60兆個の細胞からできていますが、コレステロールは細胞を作る細胞膜という生体膜の材料になっています。

 

細胞膜だけでなく、副腎皮質ホルモン(コルチゾールやアルドステロン)、 性ホルモン(アンドロゲンやエストロゲン)、胆汁の材料にもなっています。ビタミンの代謝を促す採用もあります。ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンです。

 

コレステロールに対するイメージは、あまり良いものではないかもしれません。しかし生命活動・維持においては重要な役割を担っています。

 

コレステロールは、7~8割は糖や脂肪を使って肝臓などで合成されます。体外から取り入れられるのが2~3割。全体量は、体内で調整されています。

 

コレステロールは血液中だけはなく、脳や内臓、筋肉まで全身に分布しています。

 

善玉コレステロールと悪玉コレステロール

 

コレステロールには、HDLコレステロールと呼ばれる善玉コレステロールと、LDLコレステロールという悪玉コレステロールがあります。

 

善玉コレステロールの役割は、余分な脂質の清掃です。全身の各組織に溜まった余分なコレステロールを、肝臓まで運搬してくれます。

 

悪玉コレステロールは、肝臓から体中へと、コレステロールを運び出すのです。悪玉コレステロールが血液中に増えると、血管壁に沈着して酸化を促進。血管をつまりやすくさせます。

 

放っておくと、血管内で血液が固まり、血流が停止し、最終的には血栓を引き起こします。

 

通常は、善玉コレステロールと悪玉コレステロールのバランスは保たれています。しかし、均衡が崩れることで、コレステロールの濃度は高くなっていきます。

 

コレステロール値が上がっても、病気になるまで身体には不調が現れないために、注意が必要です。

 

コレステロールの血液中の濃度が上昇すると、基準値が高くなり、脂質異常症(高脂血症)の疑いが強くなります。

 
 

コレステロールが高いとかかりやすい病気

 

コレステロールの数値が高いと発症しやすいのが、脂質異常症です。その特徴と原因について説明します。

 

脂質異常症

 

脂質異常症とは、血液がドロドロになった状態であり、動脈硬化や心筋梗塞を起こす危険因子として見られています。

 

動脈硬化は、悪玉コレステロールが140mg/dl以上あり、 さらに善玉コレステロールが低ければ、発病する可能性が高くなります。治療が必要となる水準は、善玉コレステロールが40mg/dl未満の状態です。

 

同時に中性脂肪も増えることで、悪玉コレステロールをさらに増加させてしまいます。

 

参考:
厚生労働省:e-ヘルスネット[情報提供]
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html

 

脂質異常症になる原因

 

脂質異常症になるのは、遺伝や体質的な問題ではなく、生活習慣がおもな原因だと考えられています。

 

とくに影響を及ぼすのは、食生活と運動です。

 

バランスの悪い偏食は、身体に負担をかけます。牛肉・鶏肉・豚肉をはじめ、肉食を中心とした食事は、動物性脂肪を摂り過ぎてしまいます。

 

油っぽい食事は、内臓に負担をかける飽和脂肪酸を多く含むため、注意が必要です。お酒の飲み過ぎは、肝臓をフル稼働させてしまうので、さらに追い打ちをかけるでしょう。

 

日ごろの不摂生が、体内に蓄積されて、コレステロール値をみるみるうちに上昇させていきます。

 

運動不足も影響しますが、最大の問題は、身体を動かしてリセットをする習慣がないことです。体内に溜まった不要なエネルギーを排出することができません。

 
 

コレステロールを正常値にするためには?

 
 

コレステロールを正常値にするための方法を紹介します。基本的には、悪玉コレステロールを減少させて、善玉コレステロールを増やす方法で行います。

 

食生活を改善する

 

コレステロールを正常化にするには、生活習慣を改善することが最も重要です。とくに食生活と運動によるアプローチによって、バランスのとれた生活を心がけましょう。

 

食生活は和食が基本です。食材、調理法、献立すべてに和食スタイルを取り入れます。

 

食材は、野菜・穀物を中心にします。特に野菜は旬のものを選びましょう。旬の野菜は鮮度が高くヘルシーで、食物繊維やビタミンなど栄養価が豊富に含まれています。また、季節ごとの身体の変化に応じて、体内のバランスを整えてくれるのでおすすめです。

 

近年はインターネットでも、良質な野菜を手に入れることができます。四季折々の食材に、大豆製品・魚介類・海藻類・肉類は適度に取り入れましょう。揚げ物や肉料理で油分を摂取し過ぎないよう、注意が必要です。

 

調味については、煮物や蒸し料理、和え物などを中心に、味噌や醤油、砂糖、酢、塩で調理できる献立を用意します。和食は塩分が多くなりがちになるため、できる限り控えることを意識します。

 

献立は主食、主菜、副菜、副々菜、汁物でそろえるのが和食の基本形です。主食は白いご飯(精白米)ではなく、玄米・十六穀米などの穀類が良いでしょう。

 

食事は1日3食が基本です。腹8分目が理想ですが、難しい場合は、良く咀嚼をすることで満腹になりやすく、食べ過ぎを防ぐことができます。

 

ダイエットをする

 

体を動かすことによるダイエットも、コレステロールを正常値に戻すための近道です。運動をする内容は、日々の生活で取り入れられるプログラムにします。例えば筋トレを中心にした無酸素運動と、20分以上の有酸素運動を組み合せた内容です。

 

激しいトレーニングを最初から取り入れると、はじめはやる気に満ちていても、継続をすることが容易ではありません。

 

スロースクワット、腹筋、腕立て伏せなど、スロー腹筋と言われる無酸素運動によって、内臓脂肪へアプローチすることが可能です。ウォーキング、ジョギング、エアロバイクの有酸素運動によって、脂肪燃焼を促進させていきます。

 
 

まとめ

 


コレステロール値を正常な値にするために、食生活と運動を活かす改善方法があります。コレステロール値が上がってしまい、健康診断にひっかかった際は生活習慣を改善するチャンスです。

 

不摂生や不健康な状態を放置したままにせず、善玉コレステロールを増やすといった生活習慣を取り入れて、健康な身体づくりを目指しましょう。

 

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