筋膜リリースとはなにか?自分でできるやり方を知って身体の不調にアプローチ!

2020.12.18

健康管理

筋膜リリースは、テレビや雑誌など多くのメディアが取り上げ、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか?

体の不調を調えたり、関節の可動域を広げたりするために、トレーニングに取り入れているアスリートもいます。

ここでは、筋膜リリースの基本的な知識や方法、注意点までをまとめました。

この記事は約4分56秒で読み終わります。

 

筋膜リリースとは

 

筋膜リリースという言葉は知っていても、具体的なことはわからない人も多いのではないでしょうか?なぜ筋膜リリースが注目されているのかを解説します。

 

筋膜とは

 

筋膜リリースの解説をする前に、基本となる筋膜について解説します。筋膜とは、筋肉の周りにある薄い膜のことです。内臓の膜ともつながっているので、体中に張りめぐらされています。

 

筋膜は、主にコラーゲンでできており、筋肉を保護するだけでなく、筋肉が収縮するときの滑りを良くするなど、さまざまな役割を担っています。

 

ひとことで筋膜といっても、浅筋膜と深筋膜、筋外膜、筋周膜、筋内膜の5つの種類があり、それぞれが役割をもっているのです。それぞれの筋膜が、柔軟に動くことで筋肉が正しく動かせます。

 

例えば、デスクワークで同じ姿勢を取り続けると、体の一部に負担がかかり筋肉が凝り固まるのを感じた人も多いでしょう。筋肉が凝り固まると、筋膜も自由に動くことができなくなります。

 

そして筋膜がよじれた状態でこわばり、筋肉が動きにくくなるほか、筋膜の上にある皮膚までも動きにくくなるのです。

 

筋膜リリースとは

 

先ほども少し触れましたが、同じ姿勢を取り続けたり、非対称な姿勢や動作を長時間行ったりすると、一部の筋肉に負担がかかり、筋膜が自由に動けない状態になってしまいます。

 

筋膜の自由度が低下すれば、筋肉の動きが悪くなり、筋力の低下はもちろん、柔軟性の低下や体の痛みが出ることも多く、日常生活の活動低下につながります。

 

また筋膜は、体中に張りめぐらされているので、血管やリンパ管、神経などの通過部分も圧迫され、健康に悪影響を及ぼす恐れもあるのです。

 

筋膜リリースとは、自由に動けなくなってしまった筋膜のよじれを解消し、筋肉を正しく動かせるように促し、体をほぐすことを指します。

 

肩こりや腰痛など、筋肉の凝りによって出ていた症状を改善できる方法として、多くの人に注目されているのです。

 
 

筋膜リリースのやり方

 

筋膜リリースは、自宅で誰でも簡単にできます。スキマ時間でもできるので、ぜひやり方を覚えて実践してみてください。

 

筋膜リリースのやり方の手順

 

■首・肩のこりを解消する筋膜リリース
多くの人が悩む首や肩のこりも、筋膜リリースで楽になります。準備するものは、イスのみです。

 

①イスに座って、首を左右どちらかに傾ける。
②首を倒した方向と反対の肩を片手で押さえ、肩から指先までを斜め後ろ方向に向け、手を伸ばす。
③アゴを引いたまま、首を横に倒す。
④倒した首は、鼻を肩に近づけるイメージで20秒以上リリース。
⑤反対側も、同じ手順でリリース。

 

押さえている肩が上がったり、首を倒した方向に体が曲がったりしないように注意して筋膜リリースを行いましょう。1回に20秒以上、3回ずつ行うと良いです。

 

■全身のこりを解消する筋膜リリース
全身のこりに効く筋膜リリースの方法を、2種類ご紹介します。まずは、L字筋膜リリースの紹介です。テーブルを準備しておきましょう。

 

①両手をテーブルにつく。
②体を徐々に傾けて、テーブルに沿わせる。
③両足は、まっすぐ伸ばしたまま。
④30秒以上リリース。

 

アゴを上げたり、腰が丸まってしまったり、お尻が突き出過ぎたりするのは間違った姿勢です。30秒以上を目標に、2セット行います。慣れてきたら、徐々に時間を伸ばしていきましょう。

 

次は、見返り筋膜リリースの方法です。こちらも、テーブルを使います。

 

①歩くときと同様に、右手と左足を前に出す。
②右手をテーブルに置いて、左手を天井方向へ伸ばす。
③左足のひざは軽く曲げ、右足のひざは、まっすぐ伸ばす。
④体を左に回して、左手を左斜後方へ伸ばし、20秒以上リリース。
⑤視線は、左手の先を見る。

 

右足のかかとが、浮かないように注意しましょう。

 

■腰痛を解消する筋膜リリース
腰痛を解消する筋膜リリースも、2種類ご紹介します。まずは、バンザイ筋膜リリースです。イスとバスタオル、低めの枕を準備してください。

 

①仰向けに寝て、足をイスの上に乗せる。
②肩甲骨の下側に、丸めて筒状にしたバスタオルを置く。
③低めの枕に頭を乗せ、アゴを引いてバンザイをする。
④30秒以上リリース。

 

腰が丸まっている状態が、正しい姿勢です。これを1日3回行いましょう。

 

次に紹介するのは、四つん這い筋膜リリースです。とくに準備するものはありません。

 

①手の平を上に向け、ヒジと小指をくっつける。
②手の甲を床につけて、四つん這いになる。
③腰を丸めたまま、お尻を後ろに引いていく。
④このまま30秒以上リリース。

 

くっつけているヒジ同士や手の甲が離れそうになっても、できるだけ我慢して30秒リリースしてください。

 

ローラーやボールを使ったやり方

 

ローラーやボールを使った、筋膜リリースの方法をご紹介します。足裏の筋膜リリースをするには、ボールを足で踏んで転がすだけです。

 

お尻の筋膜リリースなら、ひざを立てた状態で床に座って、お尻の下の外側にボールを入れます。両手を体の後ろについて、ボールでグリグリと筋肉を刺激してみてください。

 

ボールと同様に、ローラーで刺激しても筋膜リリースができます。体重を徐々にかけて、気持ち良い強さで筋肉を刺激しましょう。

 
 

筋膜リリースのポイント

 

筋膜リリースを行う上で重要な、いくつかのポイントをご紹介します。

 

意識すると良いこと

 

筋膜リリースを行う場合は、1ヶ所につき約90秒以上かけて刺激を与えることで、筋膜をはがせます。そのため、1セットにつき30秒を3セット行うのが望ましいのです。

 

筋膜リリースをはじめたばかりの頃は、90秒耐えられないかもしれませんが、少しずつ秒数を伸ばしていくなどして慣れていきましょう。

 

筋膜リリースは、体の不調を緩和する目的のものですが、無理をして行うものではありません。少し痛いけれど気持ち良い、程度の負荷で行うようにしてください。

 

そして、筋膜リリースを行った後は、常温の水をコップ1〜2杯飲むのをおすすめします。これは、筋膜の組織に蓄積していた老廃物を、スムーズに体外へ排出するために有効です。

 

ぜひ実行してみてください。

 

注意したいこと

 

筋膜リリースは、体を整えるために行うものですが、無理をすると逆に体に不調をきたす恐れもあります。

 

先ほども少し解説しましたが、絶対に無理は禁物です。痛みに耐えて無理をしてしまうと、体を故障する原因になってしまいます。痛いと感じる場合は、負荷をかけすぎているので、筋膜へかける力を調節しましょう。

 

また、現在ケガをしていて治療中の部位があるときには、筋膜リリースを控えてください。骨に異常がある人も、自己判断で筋膜リリースを行わないようにしましょう。

 

万が一、筋膜リリースをして痛みが悪化した場合は、ただちに中止し、医療機関を受診してください。

 
 

まとめ

 

筋膜リリースは、運動が苦手な人でも、比較的取り入れやすい方法です。家の中で簡単にはじめられるので、続けやすいというメリットもあります。

 

1日に複数の部位に行っても、数分〜数十分で完了できるので、忙しい人でも大丈夫です。運動不足やデスクワークで、体の不調を感じていた人は、ぜひ挑戦してみてください。

 

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